7/30  
 
    [ 「放蕩記」他30作 ]

■「放蕩記」/村山由佳 ★★★★

父と息子にも色々あるのでしょうが母と娘にだって色々あります。女性が読むと共感出来る所があると思います。終盤、主人公がお兄さんに「お前一人には辛い思いをさせて、悪かったな」と言われる所は涙出ました。
作者の村山由佳さんがTVで「主人公の恋愛については違いますが、母との関係についてはほぼ実話」のような事をお話されていて、実際に読んだら「凄まじい」の一言に尽きます。
「母」への畏れ、「女」への嫌悪。そういったもの全て、「許せる」時はいつか誰しも訪れるのでしょうか。


■「ゴーストハント 7 扉を開けて」/小野不由美 ★★★+半

「最後まで読んだらビックリする」という噂を信じつつ漸く辿り着いた最終巻。
結果は……前評判に期待しすぎた所為か、あんまりビックリしませんでしたねえ(笑)。何か分かっちゃいましたもん途中で。
「一人でも恋はできるから、もう泣かない」って所は良かったです。


■「田舎の刑事の趣味とお仕事」/滝田務雄 ★★★★

板尾さん主演のドラマでハマって読んでみたのですが、ドラマよりはやはり断然こっちですね。けどもドラマの方も原作の方も、コンビニ強盗立てこもりの回が最高です。ニヤニヤしながら読んじゃう小説。ユルいミステリがお好きな方オススメ。
有能な黒川さんと無能な部下白石くん、マジメな赤木くんとの掛け合い漫才が楽しい。黒川さんの奥さんが本当にドラマ通りのキャラでそれが一番衝撃だったかも(笑)。


■「田舎の刑事の闘病記」/滝田務雄 ★★★+半

勢いのまま2作目に突入しましたがどっちが面白いかと言われるとやはり1作目の方が面白かったという。
しかし白石くんの無能っぷりには拍車がかかっており黒川さん気の毒。台湾旅行の機内での奥様がまた辛辣。もっと黒川さんに優しくしてあげて!(笑)


■「望月のあと 覚書源氏物語『若菜』」/森谷明子 ★★★★

シリーズ第3作。前作の内容を覚えていないと辛いので(辛いまま読んでしまったが)いっそ最初から3冊続けて読むのがベター。(めんどくさいが)
紫式部vs道長。和泉式部ちゃんがいい味出してます。


■「チヨ子」/宮部みゆき ★★★

ホラー&ファンタジー短編集。全て単行本未収録作品ということで。
初っ端の話が後味悪くて、こんなんばっかりだったら嫌だなと思っていたら、表題作の「チヨ子」が可愛い話で良かった。


■「検事の本懐」/柚月裕子 ★★★★+半

「最後の証人」シリーズ、待望の続編。というか短編集。前作より時間軸は前…になるのかな?佐方というキャラについて、より掘り下げています。
この佐方に惚れる。是非骨太キャストでドラマ化して下さい。連ドラではなく2時間枠シリーズで。連ドラだと色々と端折られそうだから。(注文が多い)


■「文・堺雅人」/堺雅人 ★★★★+半

以下些か職業的トークで申し訳ないんですが、これNDCが7門なんで「エーッ」となりました。絶対914.6(エッセイ)だと思っていたのに。俳優さんだから芸能とか役者とかそっちの分類になっちゃったのかな。でも914.6資料の著者が本職作家ばかりかというとちゃんと役者もいるし、一体どうやって線引しているのかな、なんて気になったり。
内容的には本職作家の書いたエッセイと比べても遜色ない!というか素晴らしい!!(※別に私が堺さん大好きだから贔屓なコメントしてるとかじゃないですよ)
すごく一つ一つの物事について深く考えておられるんだなあとか、探究心が半端ないんです。…例えば医師役をやった時に、やはり「手術」という台詞が言い難くて、こんな単語を一体何処のどいつが使い出したんだ!と気になって色々文献を調べていったら「三國志」の華侘まで遡ってしまって、こんな時代から既に使われていたんなら仕方がないと思った、とか…(笑)…すごい、すごすぎるわこのヒト!
文章、文字表記のチョイスもとても堺さんらしいというか、人柄が窺えます。至る所に見える文学青年らしさに、…中退とはいえ流石早稲田出身なだけはあるわとも思ったり。個人的には「カベ虫」の話に笑いました。写真も沢山載ってますが、ステキすぎて照れちゃう。(ほっといて)
堺さんファンの方だけでなく普通にエッセイが好きな方にも超オススメです。


■「ここに死体を捨てないでください!」/東川篤哉 ★★★

烏賊川市シリーズ。掛け合いは相変わらず楽しいんですが、…これは良くも悪くも普通かな…。


■「極北ラプソディ」/海堂尊 ★★★★

面白かったは面白かったんですけど、何でこの作家の登場人物は言う事がいちいち気障なんですか。特に世良先生の台詞が何かもう恥ずかしすぎて耐えられません。
そして映画ではあんなにラブラブに終わった速水先生と花房さんが……ある意味これが一番ショックだったんですけど私。何もかも一体なんだったのか。ああもう卓袱台引っ繰り返してえ(笑)。


■「トワイライト・テールズ」/山本弘 ★★★+半

「MM9」シリーズのスピンオフ短編集。「気特対」の面々もちょこっと出て来ます。
本編とは趣が少し違ってファンタジー色が濃い目か。(それが気に入らなかったのか兄は途中で読むのを止めた)
「怪獣神様」が切なすぎました。


■「おじさん図鑑」/なかむらるみ ★★★★

街中など至る所で見かける「おじさん」が分類、スケッチされているのですが面白すぎます。
あー、こんなおじさんいるいる!と思わずページに指差しちゃう「おじさん」が絶対にいる筈!
個人的には夏に国会図書館で目撃されたおじさんに衝撃を受けました……あの…国会図書館て下着でも入館出来るんですか……?


■「無双の花」/葉室燐 ★★★★

関ヶ原で西軍に属し、改易処分になりながらも後に旧領に戻る事の出来た唯一の武将・立花宗茂の生涯、そして正室・ァ千代との愛を描いた物語。
宗茂とァ千代が不仲だったという説もあるようで(殆ど別居で子供もいなかったから?)、「そうじゃないだろ」と思って書いた、みたいな事を葉室さんがお話されていたような。
情感溢れる文章、というものではなく寧ろ淡々と語られていく、という印象でしたがだからこそあんな場面とかそんな場面とかにじーんと来ちゃうのかなと。
宗茂がァ千代の幻影(幽霊?)と対面する場面は泣けますよ。


■「東雲の途」/あさのあつこ ★★★★

「弥勒の月」シリーズ第4弾。
今回清之介と信次郎のラヴは抑えめで(※表現に語弊がありました)、中心になるのは清之介と伊佐治。
伊佐治の家族、特に奥さんの描写が好きなんですよねえ…。ほっかりとした気持ちになります。


■「英国メイド マーガレットの回想」/マーガレット・パウエル ★★★

15歳でキッチンメイドになり、コックへと出世した著者の自伝。本書がベストセラーとなり、イギリスでは1920年代のメイドの日常を知る貴重な資料となっているそうです。
メイドにも色々階級があったのねとか、メイドと雇用者との関係の変化とか、メイドの日常とか、赤裸々に描かれているので「へえ〜」と言いながら読めます。メイドさん好きは是非。
因みに表紙は「エマ」の森薫さん描き下ろしですので森さんファンは表紙だけでも見てみればいいかと思います。


■「春から夏、やがて冬」/歌野晶午 ★★★★+半

スーパーの保安責任者の男と、万引きをした女との心温まるいい話……
かと思いきや!!!なるほどこれが歌野晶午か。
確かラスト数ページで「世界が反転する」とか帯に書いてあって、また何を大袈裟な、ちょっとやそっとじゃ反転しないぜと思っていたら何だとぉ――――!?と見事に反転しました。うーん悔しい。というかメチャメチャ後味悪いです。お読みになる方はその辺覚悟して読んで下さい。
「救済」とは何か。本当にあれが「救済」と言えるのか。
「“絶望”と“救済”のミステリー」とはよく言ったものだ。


■「バカ日本語辞典 全国のバカが考えた脳内国語ディクショナリー」/谷口一刀 ★★★+半

「バカ日本地図」のシリーズ。ちょっと息抜きしたくて読んでみました。
今回は「日本語辞典」という事で、「これこれはこういう意味だと思っていた!(けど大違い)」みたいなネタが集められたものです。
まあ大体は「本当に?ネタじゃないの?」と疑いたくなるようなものですが時々「えっ私もそう思ってたけど違うの?」みたいなものもたまにあるのでそういう時は笑えません。(……。)
書店で店員に「『山田太郎ものがたり』ありますか」と聞いたら……(以下は直接御覧下さい)」のネタに大笑いしてしまいました。間違いじゃないけど!(いや間違いだよ!)


■「白戸修の狼狽」/大倉崇裕 ★★★+半

これもドラマを見て一体どういう話なんじゃいと気になって読んでみたもの。頑張れ白戸くん!
やっぱ「妄想探偵おさむちゃん」のコーナーは原作には無いんですね。(そりゃそうじゃ!)


■「葉桜の季節に君を想うということ」/歌野晶午 ★★★★

予てから友人に薦められていた本。「春から夏、やがて冬」を読みまして、今のタイミングかなと思いいよいよ手を出しました。
何かおかしい何かおかしいと気持ち悪い違和感を感じながら読み進めていると、終盤でそういう事なのかよ!!と……。
あーやられましたな。これは絶対に映像化不可能ですね。やったら即ネタバレ尚且つ単なる「ちょっと心温まらない訳でもない」話になってしまう。
また巻末のあの説明やデータ紹介がね……もういい分かったから。分かったから。もうそれ以上言うなって!先入観で読んで愚かでした!!!って、そういう気持ちになりません?(笑)


■「シャーロック・ホームズの冒険(光文社・新訳シャーロック・ホームズ全集)」/アーサー・コナン・ドイル ★★★+半

ロバート・ダウニー・Jrの映画「シャーロック・ホームズ」やイギリス現代版ホームズドラマ「Sherlock」(←※超面白いです)を見て、自分もいい加減ドイルを読んでみなければ!と奮起して読んでみた第1弾。
ドイルを一切読んだ事がない(小学生時代は主に椋鳩十で育った訳ですよ)私でも一応知っているタイトル「まだらの紐」や「赤毛組合」収録。
一体どんな話なんだと思っていたら思ってもみない話でした。ていうか…手間のかかる事を……(犯人がね)。
なるほどホームズものはあくまで「ホームズの活躍を見よう!」というものであって所謂「本格ミステリ」ものとは違う訳ですね。ホームズ、警察にはもっと分かり易いヒントをやれよ…。


■「玉村警部補の事件簿」/海堂尊 ★★★★

★×4とはしましたが、キャラ小説としては面白いけどミステリとしてはイマイチ、というのが正直な所。「事件簿」と冠するくらいだからもっとミステリらしいものを期待していました。
何というか……濃すぎるヒトばっかりだから……。


■「シャーロック・ホームズの回想(光文社・新訳シャーロック・ホームズ全集)」/アーサー・コナン・ドイル ★★★+半

モリアーティとの対決「最後の事件」収録の短編集。
原作に近いのは映画版のお兄ちゃんだとなるほど納得する。そして意外なのが、ホームズの宿敵としてあれだけ有名なモリアーティの、登場の少なさですかね。何か読者の知らない間にホームズは色々モリアーティの陰謀と闘っていて、突然決着の場に我々は連れて来られちゃったよ、みたいな。
ホームズの「遺書」をワトソンが読むシーンは泣けた。(まあ死んでないんですけども)(言うなそれを)


■「現代フランス戯曲名作選−和田誠一翻訳集」/ロベール・トマ/アルベール・ユッソン ★★★★

「W 〜ダブル〜」・「八人の女たち」という芝居を見て、自分の中で突如として起こった「ロベール・トマブーム」を満足させるべく片っ端から読んでみようと思いました。が、調査の結果日本語訳されているものはどうも少ないようで…。
収録作はトマ「八人の女」「殺人同盟」、ユッソン「マカロニ金融」。
最初っからトマ目当てで余裕があったらユッソンのも読もうというスタンスだったのでユッソンについては全く調べていませんが(ファンの方すみません)、トマは「フランスのヒッチコック」と言われる劇作家で、コメディサスペンスがお得意のようです。作風は私が読んだ限りだと、どんでん返しが多いです。笑いを入れつつ(でも人は死んだりする)も観客をアワアワさせて、最後にまたドカーンと「やらかし」て、呆気に取られている中で幕が下りる、みたいな(笑)。それが顕著なのが「殺人同盟」かなーと思います。もう読んじゃったけど本当はちゃんとお芝居で衝撃を味わいたかった。
「八人の女」はWOWOWさんでG2上演台本・演出の舞台版(大地真央・浅野温子ほか主演)が放送されていて、それを先に見ていたのでオチについては知っていましたが、細かい所でやっぱり脚色があって(シュゾンの妊娠相手、ピエレットとシャネルの関係)面白かったです。
余裕があったので「マカロニ金融」も読んでみたんですが…うーんこれは何が面白いのかよく分からなかった……。


■「緋色の研究(光文社・新訳シャーロック・ホームズ全集)」/アーサー・コナン・ドイル ★★★+半

初長編。長編ですが短いのでそんなに苦労しません。ホームズものとしてもこれが第1作のようですね。だからか、「〜冒険」他とはちょっと雰囲気の違いを感じたり。
第1部は通常通り、事件を追うホームズ達、第2部は犯人視点で語られる過去、第3部は再びホームズ達に視点が戻って、という構成が今見ても面白いです。


■「シャーロック・ホームズの生還(光文社・新訳シャーロック・ホームズ全集)」/アーサー・コナン・ドイル ★★★+半

来ましたねホームズ実は生きてたよ短編集。ドイルはどうもホームズを殺したかったらしいですね。違う作品を書く為に(笑)。
一番面白かったのは「空き家の冒険」。ホームズとワトソンの再会シーンにちょっとビックリ。しかし何で生き残る事が出来たのか、その内容が……何だろう自分の中で映像化してみたら何かマヌケでトホホな感じなんですけど…何ですかモリアーティが向かって来るの避けたら奴は落っこちたよみたいな(ミもフタもない言い方)。
気になるのは、「ホームズは私に起きた悲しい別れについても知っていたらしく」云々ですね。生還したホームズはワトソンにまた一緒に暮らそうと誘う訳ですが、ワトソン…メアリさんとはどうなった?死別?離婚??その辺の説明全く無いし。いずれ分かりますかね?病気で奥さん死んじゃったとかだったら悲しいんですけどー!
あとハドソンさんもかなり頑張りました。グッジョブハドソンさん!ホームズの野郎(あっ)の為に手間のかかる事を…(笑)。


■「エス」/鈴木光司 ★★★★

「リング」シリーズ最新作。ま…まだ続いたんですか。帯に「貞子3D」の宣伝があってウケてみた。個人的には「バースデイ」が感動的な終わり方だったので、それでもういいじゃないかという気もするんですが…。複雑な所。
「らせん」の主人公・安藤の息子が主人公。という事も途中で気付いたヘタレっぷりですが。まず要注意なのは、「リング」「らせん」「ループ」までは少なくとも読んでおかないと、この世界の骨組が全く分からないという事です。クライマックスの高山竜司の台詞の意味を殆ど理解出来ない筈。なので知らずに単独で読むと酷い目に遭うという。まあ「リング」についてはオチも含めて(笑)全て本編中に書かれているのでショートカットしようと思えば出来るかも。
同シリーズでありながらホラー→医療サスペンス→SFラブストーリー、とジャンルを変えて来た珍しい「リング」シリーズですが(映画の方は映画の方で全く違う展開をして最早原作とは全く別物)、今作は…ホラーと見せかけてちょこっとSFラブストーリー(←これは「分かって」ないと分からない部分ですが)も入って、という印象でしょうか…。
個人的に「らせん」から読み返したくなる1冊。最後終わり方がまたハリウッド的な感じで。さてシリーズはまだ続くのかどうなのか。久々に全編通してめくるページが止まらない、という感覚を味わいました。もう先が気になって気になって(笑)。


■「今日のフランス演劇 3」/日仏演劇協会 ★★★★+半(トマ「罠」のみ)

えーこれは上記の通り、時間の関係で読んだのはトマの「罠」のみです。
トマを一夜にして有名にしてしまった伝説的な戯曲。
面白いのが、オチの部分が逆さまに印刷されていて、すぐには読めないようになっている所。そしてオチ部分の前に「この戯曲を観る人は絶対にこの先は読むな、観ない人もこれまでのヒントをよく考えてみて」的な注意書きがしてある所。思わず「何処に!?」と読み返しましたけども好奇心は抑えられないので当然オチも読んじゃいました。まあ確かに戯曲は「読む」ものじゃなく「観る」ものですからね。当然なんですけどもそんな都合良く上演される訳でも無いので(笑)。
オチがどうだったか?…ええそりゃあ「そう来たか――――ッ」て感じでしたよ。でも勘の鋭い人は分かるかも。(同僚は「何となくそうかなと思った」と言っていた)


■「麒麟の翼」/東野圭吾 ★★★+半

漸く予約がはけましたのでゆっくりと。ガリレオよりは加賀さんのが好きだ。
読み終わって「ふーん」という感じだったんですが、でも映画版は絶対その内見なければと思いましたね。確か被害者の息子役として殿が出ていた筈…!しかも何ですかメチャクチャ重要な役じゃないですか。あれを殿がやると思うと泣けて来る……!(読み方を間違えている)


■「異性」/角田光代・穂村弘 ★★★★

角田さんと穂村さんのリレーで送る恋愛エッセイ。TVで紹介されたのが面白そうだったので珍しく読んでみたこのジャンル(笑)。その時TVに出ていたのは角田さんだったのですが、角田さんてイメージよりもずっと若くて可愛らしい方で、ビックリしました。(ある意味すいません)喋りもすごく面白くて。
いやあ、面白いです。女性は男性心理を知る為に、男性は女性心理を知る為に、読んでみると面白いと思います。
女性は「変化」を怖れ、男性は「固定化」を怖れると角田さんが言えば、変化に強いのは寧ろ男性より女性の方じゃないのか、と反論する穂村さん、本当だ、そうすると女性は恋愛においてのみ変化を怖がるのか?と更に考える角田さん…そんな感じで男女と恋愛に関してさまざまな考察が繰り広げられます。
いやあ男と女って面白いですね。あくまで自分は関わらずに傍から眺めている分にはね。(だからダメなんだと思う自分)


■「四つの署名(光文社・新訳シャーロック・ホームズ全集)」/アーサー・コナン・ドイル ★★★+半

有名どころなホームズ長編。なるほどメアリさんは依頼人として登場したんですね。という事はワトソン君は依頼人に手を出した訳ですね。(そういう事を言わない)
メアリさんに惚れつつも「彼女が遺産を手に入れたら自分なんかは到底釣り合わない…!」と思い悩むワトソン君萌え(たかもしれない)。
そしてラスト、メアリさんにプロポーズしてOK貰えてそれをホームズに報告した時のホームズの台詞が。ああ容易に頭の中で映像化出来てしまうよ。最早微笑ましくて笑っちゃう。


■「烏に単は似合わない」/阿部智里 ★★★★

松本清張賞最年少(20歳でしたっけ?)受賞作。
表紙を見れば分かるんですが少女マンガ的な、イメージ的には「彩雲国」とか「十二国記」とか、そんな印象なんですがそれと「松本清張賞」というごっつい肩書きが果てしなくアンバランスな感じで。
しかし読んで見ると、この作者の想像力と創造力は止まる所を知らないのか、って感じでひたすら圧倒される内容。
女の子向け時代ラブファンタジー、と思って読んでいたら実は緻密な政治小説でもありミステリでもあり。人間ではなく「八咫烏」が登場「鳥」物である世界で、その世界を支配する世継ぎの若宮の后の座をめぐり、四人の姫が入内します。后選びの行く末は……これは確かに予想出来ない結末。プロローグとエピローグがまたニクい演出です。
ただ緻密すぎて人物関係や勢力関係がややこしくて分かり辛い部分もあり。記憶力の問題だと言われればそれまでなんですが。




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    [ 「本日は大安なり」他39作 ]

■「本日は大安なり」/辻村深月  ★★★★+半

ドラマ化だそうで。好きな内容だっただけに気になるんですけども。しかも国Aさんなので尚更興味があります。内容結構変わっていそうですけど。
あっ!と思わせる叙述トリックがあるのでその部分が映像だとバレちゃうのではないかとそういう意味でも気になります。…CGでも使うとか?とこの点についてあんまり言うとネタバレなのでこの辺で。
★4.5なのは、どうしても納得行かない結末が一カ所あるからです。甘いぜこの野郎!
後で知った事ですが「子どもたちは夜に遊ぶ」のキャラが出て来ます。何か幸せそうで良かった。
辻村深月は過去作品の登場人物がチョロチョロ出て来るので出版順に読んだ方が絶対にいいと思います。(詳細な理由については以下の辻村作品の感想参照)

-------(ドラマ初回視聴後)-------

なるほど〜あっさりバラしちゃうんですね〜ってまあそうなりますよね〜。あれは文章だからこそ出来るトリックだからな〜。「そうなっている」事を読者に途中まで気付かせずに話が進んで行くのが原作のすごい所です。双子の話だけじゃなくてバカ男の話もそう。
あとやっぱ結構設定変わってますね。狐塚くんと恭二は出て来るのかどうか。けどあれ「子供たちは〜」のキャラだからなあ。


■「花の鎖」/湊かなえ  ★★★★+半

「告白」以降同じような話ばかりで読んでてもあんまりテンションの上がらないものが続いていましたがこれは「セカンドステージ」と言ってるだけの事はある!
何故なら殺人事件起きないもん!!!(………。)
…殺人かと思ってたけど実は事故ってのはあったけど。
最終的にすごくいい話になってます。


■「密室に向かって撃て!」/東川篤也 ★★★★

烏賊川市シリーズ。知らずに読んだらシリーズものでした。
トリック云々よりはキャラが好きです。(ってのはミステリとしてどうなんだっとも思いますが)
「我々は烏賊川市警だッ!」「え!?いかがわしい市警!?」みたいなベタさが堪らん。
私の弱い「畳み掛けギャグ」があったりしてそれで点数甘いかも(笑)。


■「ゴーストハント 3 乙女ノ祈リ」/小野不由美 ★★★

良くも悪くも「そういや読んだっけな」という印象しか残ってない…。頭ん中で寝かせすぎました。


■「しっぽちゃん」/群ようこ ★★★★

普通ペットものっていったら大抵犬猫じゃないですか。しかしこの小説は犬猫のみならずカメやヤモリメインの話があるのでひじょーうに好感度が持てます。
尚且つ、こういう動物ものって悲しい話があったりするじゃないですか。小説でも映画でもノンフィクションでも、私はそういうのがホントにダメですが(基本動物が可哀想な話は見たくない)、本作は「色々あったけど今はこの子はこんなに幸せなんだよ」という所に落ち着いていてその点でもグッジョブ。
短編集なのでお好きな動物からドウゾ。(※ウチの兄はヤモリから見た)


■「放課後はミステリーとともに」/東川篤也 ★★★+半

鯉ケ窪学園探偵部シリーズ。また何気に手に取ったらシリーズものでした。
探偵部という割に部長が出て来ないとか思っていたらそれはまた別の話で。という事はシリーズものというよりは本作はスピンオフと言った方がいいのか?
ともあれあのエアコンのような名前の主人公よりはその周囲の人達の方が事件解決しちゃってるんですけど。ちょっとしたトリックのある第一章以外はまあそんなもんかなという感じ。


■「冷たい校舎の時は止まる 上・中・下」/辻村深月 ★★★★

「本日は大安なり」が良かったので、この作家を出版順に読んでみようと思った。の第一冊目。
成程読者の先入観を巧みに利用した叙述トリックはこの作家のお家芸らしい。
デビュー作で登場人物に自分の名前を付けるなんて変わってるなあと思いましたがこれもある意味トリックの一部ですね。


■「陰陽師 醍醐ノ巻」/夢枕獏 ★★★
道萬さんがまた何をするでもなく…(笑)。もっと色々あるのかと思ったので拍子抜けしたけどそれも「らしい」か。
「百足小僧」は生理的にダメかもしれん。グロい〜。


■「神南署安積班」/今野敏 ★★★+半
やはり紅一点の水野さんはドラマだけのキャラかー。まあ水野さん好きなのでいいですけども。
短編集なので非常に読み易いです。捜査と全く関係無い話もあったりしてそっちの方が面白いかな。コメディタッチの(オチは何となく読めてしまうんですが)「刑事部屋の容疑者達」が好き。
各登場人物がドラマと結構キャラが違ってビックリ。あ、速水さんは割とあのまんま(笑)。その他の人達については後述。
ドラマでは一切姿を見せない元奥さんが出て来るのもまた大きな違いです。(台詞は無かったと思いますが)


■「二重標的 東京ベイエリア分署」/今野敏 ★★★+半

長編。
安積さんは確かにカッチョイイんですが内心結構、上司に対しても部下に対しても常に「今の態度はまずかったかな」とか「嫌われたらどうしよう」とか、言い方悪いですけどあんなに上司と部下の顔色窺ってたらアンタ胃に穴が開くよ?と言いたくなる(笑)。哀しき中間管理職。
ドラマでは部下に全幅の信頼を置いている安積さんですが、原作だと「村雨は最高の部下で警察官としては優秀だが人としては余り関わりたくない」みたいな見方をしているのがショックでした(笑)。確かに原作の村雨さんガッチガチなんですけども、けどすごく可愛い所もあるんですよv
あとドラマでは塚っちゃんが演じている須田さんはすんごく意外性のある美味しいキャラでもうドラマしか知らない人はビックリしますからホントに。
それから黒木くんは無口でストイックな感じ。桜井くんはあんまり変わらないかな。
金子課長は…原作のが渋くてカッコイイですスミマセン(笑)。


■「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」/奥泉光 ★★★+半

これもドラマ化だそうですね。えっあんなふざけた小説がドラマ化すんの?とマジでビックリしました(笑)。
読んだ事ないですけど奥泉光って「シューマンの指」の人でしょ?シリアスでしょ?
そんな作家がこんなふざけた小説も書くの?芸風(芸風て言うな)広すぎだろ!(笑)
ドラマ化したら下ネタやヲタクネタは控えめになるんでしょうな〜。それってチョット寂しい。


■「硝子の殺人者 東京ベイエリア分署」/今野敏 ★★★+半

前に読んだ「二重標的」もそうなんですけど、燻し銀ですよねこのシリーズ。(ていうか今野敏ワールドが?)


■「真夏の方程式」/東野圭吾 ★★

湯川が刑事じゃないからああいうオチになっちゃうのかもしれませんが、あの結末には到底納得出来ません。
殺された人に全く非は無いんですよ。悪人ならともかく寧ろとっっても良い人なんですよ。それなのにあれじゃ浮かばれないじゃないですか。
正しい罪で裁かれずとか。償う機会も与えられずとか。知らずに殺人の片棒担がされた小学生とか。(いずれは知らされるのかもしれませんがそんな重いもの抱えて生きて行かなきゃならないんですよ)あ、思い出したら怒りしか湧いてこない。作家の狙い通りなのかもしれんがこういう話嫌い。(言った!)
まあこんな風に面白くない面白くないと突っ込みながら読む事自体は面白いんですけどネ。(コラ!)


■「オーダーメイド殺人クラブ」/辻村深月 ★★★★★

これは出版順じゃないんですけどたまたま予約がはけていたので先に読んだ。
直木賞落ちちゃって残念でした。いやしかしこれは良かった。
ひたすらイヤ〜な感じで話が進むんですけども(タイトルからしてもう嫌な感じじゃないですか・笑)最後はもうボロボロ泣いてしまいました。
そしてこの小説で「リア充」という言葉を初めて知りました(笑)。
女性が読むと結構懐かしい感じもするのではないでしょうか。私も中高生時代を思い出しながら読みました。女友達との会話がもう鳥肌立つくらいリアルでね(笑)。ああ、分かる分かる〜っと頷きながら読んでました。女同士ってホントに怖いわ。
派手で運動が出来て目立つタイプの女の子達のグループって必ずいたもんですよね。そうかああいうのが今で言うと「リア充女子」なんだ(笑)。私自身は言うまでもなくその逆の方でしたけどね。
あとお母さんとの確執とか。大人の自分が読むと「親の気持ちも知らないで、可哀想じゃんこのお母さんが!」とか思っちゃうんですけど。まあそうやって突っ張って来て、けどある時ふっと気付く時が来るんですよね。「何で自分あんなに突っ張ってたのかな」と。「何てつまんない事に縛られて来たのかな」と。
楽しい事嬉しい事だけじゃなくて、嫌な事納得出来ない事面白くない事、人生色々ある訳ですけども、そういう事を「認めて、腹をくくって、諦めて。なるべく楽しく、精々、生きるのだ」(P371L12)。只の諦観にも見えるけど、そうじゃない。前向きな、諦観。そう悟った主人公が清々しくてひたすら泣けてしまいました。
余談ですが、徳川くんが「女は血を見慣れてるだろ」とか言って、アンが「それは偏見だ」と反発したら「読んでた小説に書いてあった事だけど、この台詞言ってるのも女だし作者の女だから偏見じゃない」とまた言い返すシーンありますよね。あの小説って恐らく「冷たい校舎の時は止まる」の事、でいいんですかね。

■「ゴーストハント 4 死霊遊戯」/小野不由美 ★★★+半

主人公がひたすらウザいです。ナルちゃんが好きならもっと信じろ!


■「子どもたちは夜と遊ぶ 上・下」/辻村深月 ★★

辻村深月もこれで…タイトルとしては4つ目。ここまで来るとこの作家の法則というかお約束が分かって来ました。

1:読者の思い込みを利用した叙述トリックがある(※特に名前に関するもの)
2:結構ドロドロしているが終わり方はやたらと爽やか。
3:他作品とシンクロしている。(※一番分かり易いのは、他作品のキャラが出て来た時)

で、本作は「結局あれって何だったの?」的な事が最後まで分からないままで、それが嫌でした。(この疑問は後に「ぼくのメジャースプーン」で解決する事に)
あと、(※以下ネタバレ)例えばAとBとCが同じ大学にいて、よく顔も合わせてて、というかAとBは研究室も同じで、3人共お互いの携帯番号やメルアドも知っているような仲なのに、Aが、BとCが兄妹だという事を知らないでずっと恋人同士だと勘違いしていたなんて事はあり得るんですか?いくら過去に色々とあって「他人に興味が無い」とか「知ろうともしなかった」だとしてもこれはいくら何でも極端だろう…っと思うのは私だけか??


■「スロウハイツの神様 上・下」/辻村深月 ★★★+半

実は純愛物語。
けど私はこの主人公のような女の子とは多分仲良くなれそうにない(笑)。


■「凍りのくじら」/辻村深月 ★★★

実はSFだった事にちょっと驚く。
はいまた出ました名前トリック。…しかしなあ、(※以下ネタバレ)旧姓にしたら父親と同姓同名だわ〜とか普通もっと早く気付かね?


■「No.6 #9」/あさのあつこ ★★★

以下は職場で実際にあった会話。

同僚N「『No.6』ってどんな話?」
文月「男同士がイチャイチャする話」
同僚H「違いますよ!!!

嘘は吐いてないと思うんだがな?
いやそれはともかく、やっと終わったよ………。
まあ…何だ。たとえネズミが男だろうが女だろうが、紫苑はネズミという人間を愛してたんだと思うよ。けどそう思うと余計に沙布が不憫でね。
アニメ版も見ましたけども、かなり端折ってはありましたがあれくらいのスピード感がいいですね。何せ原作スピード鈍すぎてもう後半惰性で読んでいましたから。(「THE MANZAI」も然り)


■「三谷幸喜のありふれた生活 9 さらば友よ」/三谷幸喜 ★★★★

愛猫のオッシーちゃんがとうとう逝ってしまう今巻。
基本私は動物が死ぬ話は嫌なんですが、このエッセイは悲しい悲しいというばかりじゃなくて、死にそうで、けどしぶとくなかなか死なない(この辺語弊があるかもですが読んでみたら分かる!)オッシーちゃんに振り回されている三谷氏が悲しいながらもおかしくて、もう泣きながらもクスクス笑ってしまうんです。そして、ああ何て幸せな子達なんだろうとほろっと来る。だからこのエッセイは良い。
…次巻は離婚の話などあるかしら(笑)。


■「殺意は必ず三度ある」/東川篤也 ★★★

鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ。うーん…このシリーズは普通だな。


■「完全犯罪に猫は何匹必要か?」/東川篤也 ★★★★

烏賊川市シリーズ。探偵と明美さんって何か微笑ましくていい感じ。
猫好きにオススメ。(かも?)


■「もう誘拐なんてしない」/東川篤也 ★★★

これもドラマ化ものですね。ドラマ化する程のものかなあ、という気持ちも正直アリ。
普通〜な印象ですが、組長とお姉ちゃんのキャラは好き。
東川篤也はあれですね、良くも悪くも軽いのでミステリ初心者向けだと思います。


■「小田和正ドキュメント1998-2011」/小貫信昭 ★★★★

小田さんこういう活動していたんだなあ、という事がよく分かる一冊。
曲解説や、小田さんの口癖分析もあり。
★×4なのは、私が小田さんの長年の大ファンだからという事で、特にファンでない方にとっては大して面白くないと思います(笑)。
それにしても私の大好きな「秋の気配」が、「一方的に恋人を振る傲慢な男の歌」と知って些かショックを受けております。
そ、そうだよな…考えてみればそうだよな…完全に主人公目線で聴いてたから気付きませんでしたが(気付けよ)、「あなたの声が小さく」なっていくのに「僕は黙って外を見てる」ですもんね。酷い男ですね(笑)。


■「ぼくのメジャースプーン」/辻村深月 ★★★★

秋先生の登場により、分かる人には本作は「子どもたちは夜と遊ぶ」のある意味後日談だという事に気付きます。「子どもたちは〜」で解けないままに終わっていた謎は本作で解けます。
名前は出て来ないけど「おねえさん」「おにいさん」は多分「子どもたちは〜」の月子と恭二(恭司だったかも?)の事だと思われ。特に月子が元気そうで良かった。
小学生が主人公の一人称小説を読むと、どうしても「この子は難しい言葉をよく知ってるね。きっと国語の成績いいんだね」と思いながら読んでしまうんですが(私だけ?)、まあそれはともかく。
「僕は相手の為を思ってそれをやっているんじゃなくて、自分が悲しいから、辛いからそれをやるんだ。結局自分の為なんだ」という事を言って悩む主人公に秋先生が「それの何がいけないんですか。そうやって『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです」と諭すシーンは泣けた。いい台詞だ。
さて「ふみちゃん」は今後立ち直ることが出来るのか。それは「名前探しの放課後」にて明らかに。(またそれか)


■「ゴーストハント 5 鮮血の迷宮」/小野不由美 ★★★+半

前々から主人公に対して思っていた謎が漸く解けました。
…みなしごって便利な設定だなあと思わなくもない。
それはともかく、これは怖かったですよ。今までとは段違いに怖かったです!


■「MM9 -invation-」/山本弘 ★★★+半

前作以上にやりたい放題。ラブコメ要素プラスでかなり甘酸っぱ!
ポイントは「怪獣がうちのキッチンで裸エプロン」。(コラ)
「続く」のようで次回作が気になります。


■「やなりいなり」/畠中恵 ★★★+半

「ゆんでめて」のあのキャラがちょこっと再登場。
それに対する若だんなの反応が……切ないんだよなあ。何て酷い事をする作家なんだ(笑)。


■「愛娘にさよならを 刑事・雪平夏見」/秦建日子 ★★★★

待ちかねた「殺してもいい命」の続きですよ。待ちわびたよ気になって気になって!
とりあえず娘さん無事で(しかし本書のラストでまた安否が気になるんだが!)雪平さんも生きてて(死んだら終わるしな)良かったさ全く。
安藤ってやっぱ雪平が好きだったんだなあ。
雪平に「どんな娘が好きか」と訊かれてどう聞いてもそれ雪平だろ!という答えをしているというのに「お前、変態だな」と言われて「鈍い女だ」とボヤく所が可愛らしくていい。頑張れ安藤ー。


■「死亡フラグが立ちました! 凶器は…バナナの皮!?殺人事件」/七尾与史 ★★★★

まあ何となく犯人が「誰」なのか途中で読めてしまうんですが、これは有り得ないだろー!と笑いツッコミながら読むのが正しいミステリかと。映像化したら面白いかも。
ヤクザの松重さんはまんまと松重豊さんを思い浮かべながら読んでしまった。


■「比類なきジーヴス」/P.G.ウッドハウス ★★★

「謎解きは〜」の大ヒットで、「偉そうな執事の元祖はコレを読め!」とかねてから同僚に大プッシュされていたシリーズ。ダメダメ若旦那バーティー&慇懃無礼な執事ジーヴスは、イギリスではホームズ&ワトソンと並んで有名なコンビらしいです。
で、初めてこのシリーズを読んで思った事は…「この暇な金持ちボンボン共のバカっぷりがだんだんムカつくんですけど!」といった所で(笑)。
ジーヴスは渋いオジサマを想像して読んでたんですけど、すごく若い娘と付き合っていたりして(!!!)ちょっとアンタいくつなの!?年齢に関する記述が見当たらないんですがどうなんだろう。誰か知ってたら教えて。


■「よしきた、ジーヴス」/P.G.ウッドハウス ★★★+半

やっかいな登場人物がまたゾロゾロと。
二冊目を読んで漸くこのシリーズの面白さがちょっと分かって来たかなという感じ。
ちょっとした事をすごく回りくどく、ミもフタもない表現をしたりとか(バーティーの一人称で話が進むので、バーティーのキャラの面白さという所ですかね)、会話が戯曲的だったりとか。具体的には「あの年頃の娘は鳩餌のようにダーリンを振りまいて歩くものだ」という表現がツボにハマったんですけども。そうなのかバーティー。ダーリンを振りまくってすげえな。
切れるジーヴスに頼らず何とか彼を見返してやりたい、でも結局ジーヴスには敵わない、そんなバーティー坊っちゃんが微笑ましい。


■「はやく名探偵になりたい」/東川篤哉 ★★★

烏賊川市シリーズ。短編集でしたがこれはライトすぎたかなー。このシリーズは長編の方が好きかも。
犯人が追い詰められて自白して、でも苦労して作り上げた密室の謎は解けたのか、という犯人に対して、「そんなもん知りませんよ。どうにかして上手くやったんでしょ」とか言う鵜飼さんが何かすげえ(笑)。言っちゃうかそれをー。


■「名前探しの放課後 上・下」/辻村深月 ★★

お前ら全員ハリウッドで役者やれ。
そんなに上手く行くか!?という当然のツッコミはこの際さておき。
話自体はそんなに悪くはないんですが(無理があるような気はするが)イマイチ評価なのは、他作品とのリンクが釈然としない感じで使われているからです。
途中「恩師」云々の件で「おや?ひょっとして?」と思う一場面はあるものの、これが実は「ぼくのメジャースプーン」の後日談である事はラスト数ページまでハッキリとは分からない作りになっています。(けど「椿ちゃん」の「椿」が名前でなくて苗字だろうなという事は自然にそう思ったので(ヒロインを名前で呼ぶ事を嫌がる主人公が友人の彼女を「名前+ちゃん」で呼ぶのは不自然だと思ったから)今回はお馴染みの名前トリックに引っかかりはしなかったです)
当然ながら「ぼくの〜」を未読の読者にとってはラスト数ページがチンプンカンプンです。
で、分からなくてもさらっと流せて物語本編に何ら支障の無い程度ならそれでもいいんですが、この場合は「何故こういう事態が起こったか」という物語の根幹に関わる事なので、…要は「ぼくの〜」を読んでいないとこの話が訳分からん事になるという訳ですね。「本書は『ぼくの〜』の続きです」とか明記してあるんならともかくとして。そうなってない以上、読者に不親切と言わざるを得ません。
「スロウハイツの神様」とのリンクもちょっとアリ。(※これは分からなくても支障無し)


■「ゴーストハント 6 海からくるもの」/小野不由美 ★★★+半

電気を消したらカバンの中が光っていて何じゃらほいと思ったらこの本が光っていた(笑)。この巻だけじゃないと思うんですけども。そっか光るんだ〜。
…そんな事はともかくとしまして。今回の舞台が能登なんですね〜。その割に方言描写が無かったように思いますが。それは言ってはいかんか。
その土地の言い伝えとか歴史を知る為に安原さんが地元の図書館へ行くんですが「金沢の図書館へ行った方がいい」と言われて金沢まで行って来たわ、というシーンがあるんですけども、郷土ネタなら能登の図書館の方が資料あると思うんですけどね?さてはこの図書館のねーちゃん金沢に投げたな?(笑)
そんで安原さん、金沢市立(多分泉野か玉川だろうな〜)と県立図書館(行っただろうこれも)で山ほど資料コピーしてまた戻って来るんですけども。頭の良さそうな兄ちゃんが爽やかに突然難しいレファレンス振って来て山ほどの複写依頼(県外利用者だったらカード作れませんもんね)して来て金沢の図書館司書はさぞかし嫌がっただろうな〜〜。私だったらすごく嫌だ(笑)。
……以上、図書館関係者の内輪的な読み方でした。


■「交換殺人には向かない夜」/東川篤哉 ★★★+半

烏賊川市シリーズ。
いやいやいやいやこれはどうなの。これはどうなの。これはどうなの。(何だこの感想)
個人的に敢えて映像化に挑戦してみて欲しい。下手すると色々とバレますが。


■「学ばない探偵たちの学園」/東川篤哉 ★★★

鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ。
色々と説明しているけれども「そんなに上手く行く?」という疑問から逃れられない…。


■「日本人なら知っておきたい日本文学」/蛇蔵  海野凪子 ★★★★

主要な古典は大体ざっくりと読んでありますが所詮は小学校高学年〜中学生向けの古典全集本だったりするので「えっそんな記述あったか?」なんてのが沢山あったり。改めて読んでみるのもいいかもしれん。今度はちゃんと一般向けの古典全集でね!(笑)
清少納言が「枕草子」で「子供が悪さしているのに注意もしない親はムカつく」と言ってたりとか兼好が「徒然草」で「読み難い名前が多いけどそれってどうなの」と言ってたりとか、今でもすごく共感出来ます。特に前者はいっっっつも思う事だから!

余談ですが最後に読んだ古典系読物は「風に紅葉」で(このタイトル好きだなあ)、県立図書館から取り寄せて読みました。内容ロクに覚えていないんですが(まあ簡単に言えば恋愛(同性愛込というか寧ろそれメイン)ものです)面白かった事は覚えてます。BLが苦手な私でも面白く読めたのでオススメ。
つかウィキで内容確認してみたら人物関係めっちゃややこしかった…覚えてなくて当然だわ(笑)。


■「まことに残念ですが… 不朽の名作への「不採用通知」160選」/アンドレ・バーナー ★★★

作家が出版社に送った原稿を「ボツ」にしたその理由のお手紙を集めたものです。
こんなミもフタもない言い方しなくていいじゃん(「読者はこんな事に興味ありません」とか!)、というものからすんごいお茶目なものまでボツ通知勢揃いですよ。同じ断るならこっちに実のある断り方して欲しいもんですね(笑)。
しかし名だたる作家、名だたる作品がボツ食らってんですから驚きです。作家志望の方は是非読んでおきたい本だと思います。


■「謎解きはディナーのあとで 2」/東川篤哉 ★★★+半

前作に比べてトリックはまあ…それ程でもないんですけどもキャラ小説としては磨きがかかっています。それってミステリとしてはダメなんじゃないのか。ハイだから前作よりも点数低いです(笑)。
ソフトになった影山。(ただし言ってる事は結局同じ)
そしてまさかの「あたしの大切な人」発言をしてしまったお嬢様。
それに対して何のツッコミもない辺りが大人だよな影山。分かってるんだかいないんだか。ニヤニヤしながらジャガーのキーを差し出す影山ステキすぎる。(ジャガーがオスってあれウケる・笑)
けどこの二人まだまだくっついて欲しくない。影山にはお嬢様を保護者目線で生温かく見守っていて貰いたい。
クリスマスの話はラストがほのぼの可愛くて好きです。




4/21  
 
    [ 「螺鈿迷宮」他10作 ]

■「螺鈿迷宮」/海堂尊 ★★★★

最初にコレ読んどけば良かった訳ですね。今ままでのモヤモヤが漸く晴れた感じ。
それにしても「葉子」というキャラがいた場合、あだ名は大抵「ハコ」である。(だからどうした)


■「謎解きはディナーの後で」/東川篤也 ★★★★+半

先日本屋大賞1位を獲って何だかエライ騒ぎになっていますが何か無難すぎてイヤだなあ(笑)。
ハッキリ言えばキャラ小説なんですが割とミステリ部分もしっかりしていて、この質を何処まで保てるかが勝負かと。犯人の動機がどうこうよりも、「この状況でこの犯行が可能なのはこの人のみ」てな観点から犯人を割り出す所とかが本格っぽい(笑)。
基本的な流れは主人公の女刑事(超・お嬢様)が、解決出来ずに困っている事件の話を執事(超・慇懃無礼)にし、するとこの執事が「お嬢様はひょっとしてアホでいらっしゃいますか」などと失礼な台詞をサラリと言って推理を披露、事件解決、という安楽椅子探偵的な感じ。
で、このドSな執事が毎回どんな言葉でお嬢様を罵るのかが楽しみなのでありますな!(楽しみ方を間違っている)
これはゼヒN●Kでドラマ化希望。「福家警部〜」(これも続きやって欲しいんだけどなあ)のノリでお願いします。
既に雑誌で第2シーズン連載中という事で、今後の期待を込めて★4つ半。
本屋大賞はもっと気楽に読めるものにしてくれ!と嘆いていたそこのアナタ!(誰だよ)これならライトに読めますヨ。


■「モルフェウスの領域」/海堂尊 ★★★

最低でも「ナイチンゲールの沈黙」と「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読んでいないと苦しい話。
医療小説というよりもこれはファンタジーかなあ…という印象。
お馴染みの東城大学医学部付属病院が出て来るまでがとにかく退屈で10ページ毎に眠ってましたが(スンマセン)そこからはもうトントンと。田口先生が燻し銀でカッコ良かった。歳を取ったからか。
余談ですが先日ドラマの「マドンナ・ヴェルデ」でステルス・シンイチロウがラーメンズ片桐さんだったのがウケた(笑)。
で、ここまで読んでしまってから言うのもナンですが私はどうやら海堂先生の文章とはソリが合わないようです。という事をこの作品でハッキリ認識しました。ギャグの部分は…好きなんだけどなあ。


■「悪の教典 上・下」/貴志祐介 ★★★★+半

これも本屋大賞の候補に上がってましたね。これが大賞獲ったら面白かったのに(笑)。
最初は「デクスター」教師版?と思っていましたがこの主人公・蓮見は殺人鬼である自分に対して全く葛藤が無いのでデクスターとは比較にならないくらいタチが悪い。というか本物の「怪物」であり、作中の言葉を借りれば「人間の形をしたもの」(だったかしら)。
上下巻とも見た目厚いのでこりゃ骨が折れそうだと見えますが読み出したらとまらない勢い。特に大量殺人が始まる下巻は。流石貴志祐介こういうの得意だな(笑)。怖いですよ〜〜。
万人にオススメは出来ない本ですが私は面白かったです。ただ、蓮見が過去に殺すのを躊躇い、結局殺せなかったただ一人の少女、そしてその少女と同様に殺すのを躊躇ってしまった女生徒、がクライマックスへの何らかの伏線になるのかと期待していた所が全く絡んで来ず、拍子抜けしたので惜しいのですが★4つ半。


■「ゴーストハント 1 旧校舎怪談」/小野不由美 ★★★

最初は読むつもりがなかったのですが、「最後まで読むとビックリする」というTVでの紹介に釣られて(単純だな)手に取ってみました。
昔のを大幅にリライトしているらしいので大丈夫かな〜と思ったのですが既に乙女でない年齢なので何というんですか乙女ちっくな描写に「イラッ」とし続けほとほと閉口した上(中学くらいの時からあのテのノリは既に苦手でしたけど)全編通して特に盛り上がりも感じなかったので、でも全然面白くなかった、という程でもなく、まあ普通かなと。
さあて全巻読むまでこの「イラッ」と闘うぞ(笑)。


■「ゴーストハント 2 人形の檻」/小野不由美 ★★★+半

「1」より「イラッ」と感少なく読めました(笑)。
ぼーさん割と好きです。


■「むかつく二人」/三谷幸喜 清水ミチコ ★★★★

トゲのある二人のやりとりを見て「もう本当に仲良しだな〜」と微笑ましい気持ちに。三谷の坊っちゃんぶりが時々腹立つ(笑)。
各トークの後にあるオマケというか解説の部分が面白いです。


■「ピーター・フォーク自伝 「刑事コロンボ」の素顔」/ピーター・フォーク ★★★

「コロンボ」の裏話がもっと読めるかなと思ったのですがタイトル通り「自伝」ですね。ピーター・フォーク氏がとてもヤンチャで愉快な方だというのは理解しましたがアメリカン・ジョークが時に理解出来ないのが苦しい(笑)。
「コロンボ」シリーズは70年代の古いドラマというイメージだったのですが、先日BSで見たシリーズ最終話「殺意のナイトクラブ」で、「CSI:NY」のダニーでお馴染みカーマイン・ジョヴィナッツォが出ていたのがオドロキでした。(しかも殺され役で!しかも吹替えは「CSI:」ニックの声で(笑))コロンボ急に歳取ったなとは思いましたけども、割と最近までシリーズ続いてたんですねえ〜!
「コロンボ」シリーズ、沢山ありますのでどれから見ていいのか、という方に個人的にオススメなのは旧シリーズの「二枚のドガの絵」(←これは名作中の名作だ!)と「溶ける糸」(最後までハラハラ)、そして新シリーズの「かみさんよ、安らかに」(色んな意味でファンを見事にやきもきさせた名作・笑)「恋に落ちたコロンボ」(最後のコロンボの台詞がニクイ)、犯人が終盤まで分からない、という普段とは違うパターンで新鮮なのが「初夜に消えた花嫁」、といった所。ってこれ既に本の感想じゃないな。


■「バムとケロのもりのこや」/島田ゆか ★★★★

何か12年ぶりの新作とか?そりゃあすごい。
「かいちゃん学習しろよ!!!」と皆で叫んで下さい。私も叫んだ。


■「ハリー・ポッターと謎のプリンス 携帯版 上・下」/J.K.ローリング ★★★★

毎度毎度、色々と削ぎ落としたらスッキリ分かり易くなるんだろうなあと思われるシリーズだよなあ。
ロンがラベンダーとイチャコラ→ハーの暗黒時代→ロンハーギスギス→そんな事に構っていられないやさぐれハリー。という印象。(そんな感想があるか)
ジニーが…なかなかいい性格の女の子に成長したのね、ってもう泣きたくなるわ私。あの可愛いジニーは一体どこへ……。狼男に顔をやられちゃったビルを見ても「ビルが醜くなったからって私が彼と結婚しないと思うのか。私がすごくキレイだから全然問題ない」とフラーがタンカ切るシーンはすごく感動的だったんですけども、それを見ても心を動かされないのかジニー…おねーさんは哀しくなって来た。
映画ではハリーがジニーに惹かれていく過程が全く端折られていていきなりジニーとイチャついていたので「おいチョウの事はどうした」とツッコミまくりましたが、原作はそこんとこ比較的ちゃんと描かれていたので分かり易いか。
校長先生が死ぬシーンはやっぱ原作でも泣ける。そして私は映画の時と同様、スネイプ先生を信じる!


■「白の祝宴 逸文紫式部日記」/森谷明子 ★★★★

デビュー作の、「源氏物語」を題材にした「千年の黙 異本源氏物語」が割と面白く、で、今作は「紫式部日記」が題材ですので、紫式部フリークとしては読んでみました。
ホームズ役の紫式部、ワトソン役の阿手木(式部に仕える侍女)が都に出没する怪盗騒ぎを見事解決、という王朝推理物。と書くと薄っぺらく聞こえますがそれに色んなものが絡み、最終的には「実は『紫式部日記』はこんな風に出来たんだよ」と読者に提示する所まで行き、(怪盗の謎というよりは寧ろ日記成立の謎がメインなのかとも思われる)重厚な作りです。
「千年の黙」の時もそうでしたが、なーるほーどね〜〜、と感心します。ここまでよく妄想(笑)出来たもんだな!と。「紫式部日記」が「つまらない」理由もちゃんと説明されてますから!
あくまで本作はフィクションですけども、実際こんな風に「紫式部日記」が成立していたのなら、実に面白いと思います。案外こんな感じだったんじゃないの?と思わせるリアル感もあり。
まあ当時の日本は今みたいに印刷技術とか便利なコピー機とか無かった訳ですから、読みたい本は自分で写していくしかない訳で、当然その過程に色々写し間違いや勝手に挿入削除しちゃったりとか(今なら立派な著作権侵害だよなあ・笑)あって、現在伝わっているものはどのくらいオリジナルに近いのかなあ、なんて考えるとロマンですね。(エ、違う?)




12/31  
 
    [ 「アリアドネの弾丸」他5作 ]

■「アリアドネの弾丸」/海堂尊 ★★★

世界を広げすぎた弊害が。私のように基本「バチスタ・シリーズ」しか読まない読者には「???」な所が最後まで「???」なままで。そういう所が何かイラッと来るんです。
メインストーリーに絡む所はシリーズ内で分かるようにしてくれませんかねえ…。
「正義の味方です」の所は良かった。


■「往復書簡」/湊かなえ ★★★★

やりましたよ湊かなえー。何とハッピーエンドの話があるんですよ!!
今までの著作に比べたら読後感いいですよ!
「告白」で引いたなって方はこれオススメです。


■「ゴッホは殺されたのか 伝説の情報操作」/小林利延 ★★★

別タイトル「ゴッホ一族の陰謀」(笑)。


■「ミステリ★オールスターズ」/本格ミステリ作家クラブ  ★★★+半

アンソロなので面白いのとそうでないのと差があります。
柄刀一の「ある終末夫婦のレシート」は一見(「一読」ではない所に注意・笑)の価値あり!
辻真先の「密室の鬼」は「それ本格ミステリじゃないじゃん」みたいな。(いい意味で)ゲッゲッゲッ。


■「熱海の捜査官 金曜ナイトドラマ」/三木聡 進藤良彦 ★★

ドラマが謎な感じだったので珍しくノベライズに手を出してみたが所詮ノベライズはノベライズでしかなかった。


■「極北クレイマー」/海堂尊  ★★★+半

「イノセント〜」以降イマイチなバチスタ・シリーズよりも(※個人の感想です)よっぽど読み易くて面白かったと思います。
が、これを読めば分かると思っていた「アリアドネ〜」の謎部分がやはり分からなかった…。
え?「螺鈿迷宮」読めばいいの?はよ教えてやー全く。


10月後半〜12月に読んだ本をまとめてリストアップ。
湊かなえは「Nのために」までは読んだのですが内容がどれも似たり寄ったりで(「少女」はちょっと雰囲気が違う感じもしますが)、「往復書簡」は最初読む気もなかったのですが私の信頼する某ブックレビュー番組でとても褒められていたので「これが最後のチャンスだぞ」(←?)と読んでみました。結果的に良かった良かった。
現在貴志祐介の「悪の教典」上巻のみ読了。今の段階では…下巻すごく気になる!!!
厚いですが驚くくらいにサクサク読めます。




10/17  
 
    [ 「シャングリ・ラ」他15作 ]

■「シャングリ・ラ」/池上永一 ★★★

アニメ版を見た人はそこで終わっておくのが吉かもしれない。


■「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」/万城目学 ★★★★+半

気が付いたらボロボロ泣いていた。
因みにかのこちゃんのお父さんて「鹿男あをによし」の主人公だったりします???


■「僕僕先生」/仁木英之 ★★★

ラブコメかよ。


■「大河ドラマ入門 」/小谷野敦  ★★★★

●●●●(俳優名)は到底戦国武将に見えなかったとか●●●●(女優名)は史上最悪の■■(役名)だったとかいう辺りは深く同意するぜオーイエー。


■「小暮写眞館」/宮部みゆき  ★★★★+半

「ステップファザー・ステップ」や「今夜は眠れない」と同じ系統かと。
でもラストの方は「蒲生邸事件」を彷彿とさせる。


■「MM9」/山本弘  ★★★★

目次だけで爆笑出来ます。真面目な怪獣小説。


■「教科書では教えてくれない日本の名作」/出口汪  ★★★★

学校の授業で教わったのは嘘だったんですな!(えっ)


■「最後の証人」/柚月裕子  ★★★★+半

これはやられた。作者の思惑にハマってしまった自分が嬉しくもあり悔しくもあり。


■「臨場スペシャルブック」/横山秀夫  ★★★★

文庫未収録作品掲載でファンにはおトクな一冊。ドラマと結構違うヨ。


■「キムラ弁護士、ミステリーにケンカを売る」/木村晋介  ★★★★

小説家とはそんなアホな的な事を如何にも説得力あるように書いて読者を煙に巻く技量が必須な職業なのだ。


■「キムラ弁護士、小説と闘う」/木村晋介  ★★★★

キムラ先生、私にはどうやら春樹は理解出来ません。


■「ゆんでめて」/畠中恵  ★★★+半

若だんなが祝言=シリーズファイナルと思っていたのでいよいよ終わるのかと意気込んだのだが…
なるほどそう来たか……。何か勿体ない気も…。


■「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 [携帯版]」/J・K・ローリング  ★★★★

ハリーのやさぐれっぷりが延々ウザい。黒ハリー降臨。


■「99%の誘拐」/岡嶋二人  ★★★

野暮を承知で言わせて貰うと「そんなに上手く行くワケがない」。


■「ドレスデン・ファイル 魔を呼ぶ嵐」/ジム・ブッチャー  ★★★

ハードボイルドファンタジーだがドレスデンは割とヘタレ。
因みにボブはドラマ版の方が好みである。


■「新参者」/東野圭吾  ★★★★

加賀さん>湯川先生 (※決して阿部ちゃん効果ではない)


3月後半〜10月に読んだ本をまとめてリストアップ。(レビューをすごくサボっていたとも言う)
個人的にイチオシは「最後の証人」です。久々に清々しく騙されたので。
やはり法廷ものはあれくらいのサプライズが欲しいものである。
★4つ半になっていますが限りなく★5つに近い4つ半です。




3/12  
 
    [ 「アニメ・マンガ・戦争 安彦良和対談集」他4作 ]

■「アニメ・マンガ・戦争 安彦良和対談集」/安彦良和  ★★★+半

エンタテインメントにおいて稀代の才能を発揮し続ける安彦良和が、「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」を執筆しながら考えたこと、感じたことを語り合った対談17編を収録した珠玉の1冊。 [日販MARCより]


全部でなくて興味のある所だけパパっと読んだ感じなんですが。安彦さんの、対談相手の似顔絵&コメントが楽しいです。
福井晴敏は実は未読なんですが、「亡国のイージス」くらいは読んでおこうかなあ、と思いました。兄が持ってるし。
あと永井護が「(「F.S.S.」は)永遠に終わりませんね」とか言ってて激しく脱力したり。いやいやいや、とりあえず収拾つけて!
某作家さんが某ガンダムアニメについて「要するに作家に才能が無いんだよね」とバッサリ切っていたのが「おいおいおい!(笑)」となりつつも爽快でした。私も個人的に好きではない作品なのでファンの方には悪いんですが気持ち良かったですスンマセン。
あとこれまた某作家さんが「●●はプロが作ったシナリオって感じがするけど■■は女子高生がプリクラいっぱい貼ったノートに書き殴った感じがする」って言ってたのも…何か、分かる。伏字部分が気になる方は読んでネ(笑)。
安彦さんが「『THE ORIGIN』が最後の仕事になる」みたいな事を言っていたのには、多分そうなるだろうとは思ってたけどちょこっとしんみり。いや「Z」も見てみたかったなぁと。(贅沢だ!笑)


■「復活の日 三谷幸喜のありふれた生活 8」/三谷幸喜  ★★★★+半

体を張った映画の宣伝活動、1万人の前でリコーダー演奏、15年ぶりに伝説の劇団が復活…。
挑戦をやめない、人気脚本家の刺激的な日々をユーモラスに描くエッセイ。東京サンシャインボーイズの特別座談会収録。 [日販MARCより]


そろそろか、そろそろか、とドキドキさせられていましたが老猫「おとっつぁん」、遂に死去。
その部分(もう思い出すだけで泣けるので内容詳細は敢えて語りませんよ)を丁度帰りの電車内で読んでいたので、泣くの我慢して読んでたら鼻水が出て来まして帰宅して鼻かんでたら家族に「もう花粉か」と突っ込まれ、理由を言ったら大爆笑されたという思い出が。
犬猫を飼っている方、既に亡くされた経験のある方なら絶対に泣ける本作です。
東京サンシャインボーイズの復活公演「Returns」についても色々書かれているのですが…これに関して三谷氏にヒトコト言いたい!

ストーリーのオチまで全部語るんじゃない!!!!!

…そりゃあさ、WOWOWから録画して未だに見てない私が悪いんでしょうけどもさ。
でもでも、普通はああいう所でオチまで言わないだろ!!!酷い!楽しみ半減したじゃん!!(まあ自業自得なんですけども)
他、「レッドクリフ」についてとか「サラリーマンNEO」に出た時の話とかが面白かったです。やるなあ国Aスタッフ。


■「Nのために」/湊かなえ ★★★★

「N」と出会う時、悲劇は起こる。杉下希美、安藤望、西崎真人。夢を抱く3人は、ある計画に手を染め…。
タワーマンションで起きた殺人事件。その真実をモノローグ形式で解き明かす連作長編。 [日販MARCより]


本人の知らない所で、誰かを庇う。自分の知らない所で、誰かに庇われる。その連鎖が事件の「真実」を浮かび上がらせ、読者が唯一それを知る、という構造。
人生ってそういう側面もあるかもしれない、と思わせた作品。
この作家、このテの路線でずっと行くんですかねえ。そろそろ違う作風も読んでみたいけど。


■「陰陽師 天鼓ノ巻」/夢枕獏 ★★★+半

蝉丸にとり憑いた妖女の正体は?晴明の呪、博雅の笛とともに平安の闇を祓う蝉丸の琵琶。盲目の法師の哀しい過去がいま明かされる―。[BOOKデータベースより] [日販MARCより]


何か晴明様から博雅くんへのラブ光線が今までに増して強いような…。(そういう読み方しか出来んのか)
「逆髪の女」が好み。こういう話弱い。
蝉丸が出張ってますので蝉丸ファンの方(いるのか?←待て)は必読。
本編よりもばっくー先生のあとがきが面白かったとかって言っちゃダメですか。


■「No.6 #8」/あさのあつこ ★★★

矯正施設でついに沙布との再会をはたした紫苑。だが非情にも、それは永遠の別れを突きつけられるものだった。
マザーの破壊を願う沙布。そして、ネズミの仕掛けた爆弾は建物を炎に包んでいき…。 [日販MARCより]


何時の間にか出ていて読むの忘れてました。(コラ)
そうそうこういうのがクライマックスっていうんですよ。今度こそ本当にクライマックス。
そして次の巻で完結するのか?それともキリよく10巻で終わるのか?
またいい所で終わっているので先が気になります。
結局可哀想だよなあ沙布…。紫苑はつくづく罪な奴だ。




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