「ケヴィンしゃん、これを枕元に吊るすでち」
風呂から上がってきたケヴィンに、シャルロットがなにやらカラフルな布地を差し出してきた。
「?靴下?」
「さっき宿のおばしゃんからもらったでち。サンタしゃんは、靴下にプレゼントを入れてくれるから、ちゃんと用意しておかなくちゃいけないんでち」
「ふうん…」
どうやらサンタの配達サービスには、年齢制限の他に色々と面倒な手続きが必要らしい。
「おいら、思うんだけど」
「なんでちか?」
渡された靴下を見よう見真似でベッドの手すりに吊るしながら、ケヴィンは首を捻った。
「おいらのとこ、サンタ来ない、靴下ないせいかな?」
「…」
シャルロットはケヴィンの足をみた。この寒空に、布を巻いているだけの固そうな足の裏である。
エルランドを訪れた時はさすがにブーツを履いたものの、基本的に彼は裸足で通していた。
「…そうかも、しれまちぇんね」
そしてシャルロットは、はあっとため息をついた。
ビーストキングダムにはサンタが来ない。
そのことを聞かされて、真っ先に考えたのが彼が獣人である、ということだった。
もしもそれが理由なのだとしたら。そう思うといてもたってもいられなかった。
だから手紙を書いた。せめて一緒にいる今年は、一緒にプレゼントを受け取れるように。
毎年、ほんわりとした温もりのこもった贈り物をくれるサンタ。
彼ならばきっと分かってくれると思ったから。
でも、もしも「靴下がない」ことが本当の理由なのだとしたら。
(いくらなんでも、おバカすぎな理由でち…)
「?どした?シャルロット?」
訝しげに顔を覗き込まれて、シャルロットは慌てて首を振った。
「な、なんでもないでち。それより、デュランしゃんがおねんねするまで、シャルたちもこっそり起きてるでちよ!」
「うん」
「とりあえず、灯りは消しておくでち。こうすればシャルたちがおねんねしたと思って、さすがのデュランしゃんも油断すること間違いなしでち!」
なにを油断するのかよく分からないが、ケヴィンは素直に感心した。
「シャルロット、ホント、頭いいな!」
「まあまあまあ、そんなことあるでちって!」
「じゃあ、灯り消すぞ!」
ケヴィンが灯りに手を伸ばす。シャルロットは毛布に潜り込みながら、しっかりと釘を刺した。
「暗くなったからって、おねんねしちゃダメでちよー」
「わかったー」
ふと動いた気配に、ケヴィンは目を覚ました。
ゆっくりと身を起こし、周囲を見回す。灯りを消した時には、まだ広場の方から音楽や歌声が風に乗って聞こえてきていたが、今はもうそれも聞こえない。
(今、誰か出て行ったような気がしたんだけど…)
隣のベッドに目をやる。シャルロットは安らかな寝息をたてていた。
(じゃあ、誰が…)
デュランだろうか。しかし隣からも何の音も聞こえてこなかった。
ずれてしまったシャルロットの毛布をかけ直そうとして、はっと思い出す。そして、慌ててベッドに吊るした靴下に目をやった。
「あ!」
「にゃ?」
不意に上がった声に、シャルロットが慌てて飛び起きる。
「ど、どーしたでち?」
「シャルロット、これ…」
ケヴィンが恐る恐る指差した先には、シャルロットの吊るした靴下がある。カーテンを持ち上げて月明かりを入れると、彼女にも分かったのか、小さく歓声があがった。
「サンタしゃん、来たんでちね?!」
そして、はっとしたようにケヴィンを見る。
「ケヴィンしゃんは?ケヴィンしゃんはどうでちか?」
ケヴィンは自分のベッドから靴下を外して、シャルロットの前に掲げてみせた。ぷっくりと膨らみ、リボンのかかった布袋が半分ほどはみ出している靴下を。
「サンタさん、おいらにも、来たな!」
にっこりとケヴィンが笑う。シャルロットもちょっとほっとしたような表情の後、にっこりと笑った。
そして、ほとんど同時に思い出した。
二人が今晩決行しなくてはならない、「作戦」のことを。
「あ…!」
「ま、まずいでち!すっかりおねぼうしちゃったでちよ!」
「シャルロット、シーッ!」
ここで騒いでは、せっかく眠っているデュランを起こしてしまう。
ケヴィンは慌てて口に人差し指を当てると、「シーッ」と言って見せた。シャルロットもぱっと口を押さえて、隣の部屋との壁を見やる。
どうやら起きた様子はない。二人は、ほーっと息をついた。
まだ月は高く、朝には遠い。夜更かし宣言をしたデュランが眠った後に目を覚ましたのは、むしろ好都合といえた。
(まだ、遅くない。今から、行こう)
シャルロットに囁くと、ケヴィンはそっと立ち上がった。シャルロットも頷いて、上着を羽織る。
そして、ベッドの下に隠した包みを引っ張り出した。張り詰めるような冷たい空気に、ほんのりと甘い香りが混ざる。
(暗いから、気をつけて)
(はいでちー)
そっと足音を忍ばせて扉に近づくと、ゆっくりと開く。
部屋の中よりもさらに冷たい空気が廊下から流れ込んできて、二人はぶるっと身を震わせた。
さすがに深夜だけあって、廊下には人っ子一人いない。常夜灯の淡い灯りが、ぽつぽつとオレンジ色の光を投げかけているだけだった。
(すぐ戻るんでちから、閉めない方がいいでちよ)
シャルロットの囁きに、扉を閉めかけていたケヴィンの手が止まる。確かに、さっと飛び込めるように開けておいた方がいいかもしれない。頷いて扉から離れると、デュランの部屋の扉に手をかけた。
(そーっとね、そーっと)
(う、うん…)
音がしないように、ゆっくりとドアノブを回す。細く開いた扉から、廊下の明かりが部屋の中にさっと線を描いたのを見て、ケヴィンは慌てて身体を滑り込ませた。すかさずシャルロットも部屋に潜り込む。
再び音のしないようにそっと扉を閉めると、二人は様子を伺った。
二人の部屋と違って、眠りの邪魔にならぬ程度に小さな灯りが点っている。デュランは頭から毛布を被って壁の方を向いているらしく、赤銅色の髪の毛が毛布からいきなり飛び出して見えた。
規則正しく上下する毛布の様子から見ても、二人が入ってきたことにも気付いていないようだ。
(さ、いまのうちでち)
シャルロットに促されて、ケヴィンはそっとデュランに近づいた。靴下は吊るしていない。
どうしようかと振り返ると、シャルロットが枕もとを指差した。
(靴には入れたくないでちもん…)
もっともだ、と頷いて、ケヴィンはそっとデュランの枕元に包みを置いた。
(喜んでくれると、いいな)
キャンディーショップのお婆さんの笑顔を思い出しながらそう独りごち、さあ戻ろうと踵を返す。
その時。
ゴスッ!!
「ギ…ッッ!!!」
(ケヴィンしゃん、シーッ!シーッ!!)
悲鳴を上げかけたケヴィンに、シャルロットが慌てて飛びついて口を押さえ込む。
(い…痛い…)
つま先を思い切りテーブルの足にぶつけてしまったのだ。痛いなんてものじゃない。
それでもなんとか踏み止まって、ケヴィンは涙目でデュランを振り返った。ここでデュランが起きてしまったら、なにもかも水の泡だ。なにより自分のミスで作戦がつぶれてしまっては、シャルロットに申し訳がたたない。
幸い、デュランの寝息に乱れはない。それはそれで少し寂しい気もしたが、今は起きてもらっては困るのだ。
(だいじょうぶでちか?ケヴィンしゃん…)
(う、うん。さ、早く、戻ろう)
(はいでち)
ぶつけた足を引きずりつつも、なんとか忍び足で戸口に近づく。
そっと扉を開くと、今度はシャルロットを先に出した。そして、さっと扉を閉める。その拍子にぱたん、と小さな音がして、二人は飛び上がった。
(は、早く戻るでち!)
(うん!)
慌てて部屋に飛び込んで、扉を閉める。こっちはもっとはっきりと閉める音がしてしまったが、そんなことに構ってもいられない。デュランが追いかけてきそうな気がして、二人は頭からベッドに飛び込んだ。
そしてそのまま数分。恐る恐る顔を見合わせる。
「デュラン、起きないな」
「よっぽど疲れてたんでちね…」
ほっとしたような、拍子抜けしたような吐息を同時に洩らすと、どちらからともなく笑みを浮かべた。
「作戦は成功でちね!後はデュランしゃんが起きて、あれを見つけてくれれば…」
「どんな顔、するかな?」
ぶつけた足は痛かったが、胸はまだどきどきしている。
サンタが来て、サンタになって。友達と小さな冒険をして。
「おいら、こんなに楽しいクリスマス、初めてだ!」
「シャルもでちよ!」
シャルロットもにっこり笑う。ケヴィンの笑顔が嬉しくて。
(サンタしゃん、ありがとう)
目には見えないもう一つの贈り物を、シャルロットは胸の底で抱きしめた。
二人が自分たちの寝床に飛び込んでから、数分後。
デュランはそろそろと身体を起こした。
(ちょっと危機一髪ってとこかな…)
ほっと息をついて、髪を掻き上げる。
本当に危ないところだった。ケヴィンが目覚めたのは、まさに彼が出て行った直後だったのだ。
戻って来て見れば、隣室で話し声が聞こえている。なんだかこちらへ向かってきそうな気配に、上着を脱ぐ間もなくベッドに飛び込んだ。そうして、毛布を頭から引っかぶったところで扉が開いたのだ。
必死に息を殺してはいたものの、いつばれるかとひやひやし通しだったのは言うまでもない。
(それにしても、あいつ、大丈夫だったかな…)
そっと隣室の方へ目を向ける。ケヴィンが足をぶつけた時には、よほど起きようかと思ったのだが…ここで起きては二人のやってることを台無しにしてしまいそうで、起きるに起きられなかった。
(まあ、シャルがいるから大丈夫だろうけど)
まさか、二人が自分同様、サンタの真似をしようとは思わなかった。
(考えることは、皆一緒…か)
一生懸命、自分に気付かれないように忍び込んできた二人が可笑しくて、愛しくて。
我知らず、ふんわりと笑みが浮かぶ。言葉にはならない、温かさが満ちていく。
(こんな風にプレゼントをもらったのは、何年ぶりかな)
枕もとのプレゼントの包みを見やりながら、デュランは再び毛布に潜り込んだ。
今夜は懐かしい夢を見れそうだ。そんなことを考えながら。
「見てくだしゃい、ケヴィンしゃん!」
包みを開けていたシャルロットが、歓声を上げる。同じくリボンを解いていたケヴィンは、その声にシャルロットの手元に目をやった。
「手袋でち!ぼんぼりもついてまちよ!!」
布袋から現れたのは、赤い毛糸で編んだ、彼女の小さな手に合うような可愛らしい手袋だった。手の甲に、白い毛糸でウサギの模様が入っている。手首には赤と白、一つずつのぼんぼりがついていた。
「どうでちか?」
シャルロットは早速手袋をつけて、ケヴィンに手を振ってみせた。彼女の手が動くたびに、二つのぼんぼりがぴこぴこと揺れる。
「うん、似合うぞ」
「えへへ、ありがとしゃんでち」
ケヴィンに誉められて照れ笑いを浮かべると、シャルロットはケヴィンの手元を覗き込んだ。
「ケヴィンしゃんは、何をもらったでちか?」
「うーん…」
袋を開いて、中の物を引っ張り出す。
「あ、手袋だ!」
「カッコいいでちねー!」
出てきたのは、丈夫そうな茶色の革手袋だった。指が動かしやすいように、柔らかい革が使われている。
つけてみると、大きさもぴったりだった。
「ケヴィンしゃん、似合いまちよ」
「そ、そうかな」
ケヴィンはちょっと複雑な表情で、布袋と脱いだ手袋を見つめている。
「どうしたんでち?うれしくないでちか?」
「え?」
他のことに気を取られていたケヴィンは、慌ててシャルロットを見た。
「ううん、すごく嬉しい。ちょっと、ぼーっとしてた…」
「そうでちか!」
不安そうだったシャルロットの表情が、ぱっと明るくなる。そして、もらった手袋を手に、たっと駆け出した。
「シャル、デュランしゃんに見せて来るでち!」
「あ、うん」
返事をしながらも、ケヴィンの視線は再び布袋と手袋に落ちていた。
「デュラン」
ケヴィンが部屋に入っていった時、デュランはベッドに腰掛けて魔法のアンチョコに見入っていた。
ベッドサイドのテーブルには、食べかけのクッキーが一枚とコーヒーカップ。
朝食の時にクッキーの包みをもって現れた彼は、とても上機嫌だった。ケヴィンとシャルロットも、その時一枚ずつお裾分けをもらっている。
「なかなか美味いな、これ」
「そうだね」
ごろん、とデュランのベッドに寝転がる。その勢いでバランスを崩しかけて、デュランがよいしょ、と座り直した。
「まあ、味もいいんだけどさ、なんていうか…あったかい感じがするんだよなあ」
「?!」
ケヴィンはぎょっとしてデュランの背中を見上げた。当のデュランはケヴィンの当惑にも気付かずに、くすくすと笑っている。
「懐かしいっていうのかさ、なんかこう…あったかい気分になるんだよ」
おかしいかな?そう言って、ケヴィンを振り返る。ケヴィンは、慌てて首を振った。
デュランは、昨日の一件を知らない。なのに、ケヴィンが感じた温もりを、確かに受け取っていた。
「デュラン、すごいな」
「?なにが?」
不思議そうな声に、ケヴィンはちょっと息をついた。
「おいら、手袋もらったよ」
「ああ、そうだな」
さっき見せてくれたろう、そう言ってデュランはケヴィンの頭を撫でた。
「でも、分かったこと、ある…」
「分かったこと?」
再び向き直ってアンチョコに目を落とすデュランの背中を見つめながら、ケヴィンはゆっくりと囁いた。
「サンタって、デュランと同じ匂い、するんだぞ。知ってたか?」
「…へえ…」
一瞬の沈黙の後、デュランは薄く笑ったようだった。
「そりゃ奇遇だなあ。…でもなケヴィン」
「?」
「俺のとこに来たサンタは、お前たちと同じ匂いがしたんだけどなぁ?」
「えッ!?」
ぎくっとした瞬間デュランが勢い良く寄りかかってきて、潰されたケヴィンは悲鳴を上げた。
「デュ、デュラン!ちょ…っ、重いよ!!」
「なーぁ、ケヴィン?」
「な、なに?!重いってば!」
それには答えず、デュランはけたけたと笑っている。
体重以外に力もこもっているのだろう。寄りかかる背中を必死に押し返して腕に抱え込むと、ケヴィンは真意を探ろうと彼の顔を覗き込んだ。
いたずらっぽく輝く藍色の瞳が、予想していたように彼の黄金色の瞳を見つめ返している。それが、ふと柔らかな光を帯びた。
ゆっくりと唇が動いて、吐息だけで言葉を紡ぐ。
シャルには、ナイショな?
(…あ)
大人にサンタの来ない理由。
ケヴィンは不意に気が付いた。これが理由なんだ、と。
「大人になるとサンタが来ない」んじゃない。
人は大人になると、サンタになるのだ。
ゆっくりと頷くと、ケヴィンはそっと囁いた。
「おいらたちも、いいサンタ、なれるかな?」
「…ああ、きっとな」
デュランはにっこりと笑った。
誰にも真似できない、彼自身意識しては浮かべることのできない、心底からの微笑み。
まるで花が開いていくような、ケヴィンの大好きな笑顔で。
「やっぱり、デュランって、すごいや!」
嬉しくなって、デュランを抱きしめる。と。
戸口で派手な悲鳴が上がった。
「あんたしゃんたち、二人だけでずるいでちよ!」
見ればシャルロットが、ぱたぱたと地団太を踏んでいる。
「シャルもまぜるでち!!」
「おう、まざれまざれ」
笑って答えて、デュランが迎えるように腕を開く。それを見て、にぱっと笑うとシャルロットがデュランの胸に飛びついた。
そしてケヴィンに小悪魔の笑みを向ける。
「ケヴィンしゃ〜ん、『くすぐり大作戦』決行でち〜!」
「おう!」
その言葉に、ケヴィンもいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「わ!バカよせくすぐんなって!!」
途端にデュランが悲鳴と笑い声を同時に上げて、反撃とばかりにシャルロットをくすぐりだす。
たちまち、きゃっきゃと絶叫と爆笑のくすぐり合い、じゃれ合いが始まった。
「きゃー!ケ、ケヴィンしゃん!!足でち!足をねらうでちー!!」
「ぎゃはは、わかったー!」
「あーもう!2対1とは卑怯だぞお前らー!!」
けたけた笑いながら、デュランが震える指で二人を指差す。
その言葉に顔を見合わせると、ケヴィンとシャルロットは口を揃えた。
「だーっておいらたち」
「子供でちもんねー!!」
「こ、この小悪魔どもぉぉーー!!!」
半ば悲鳴に近いデュランの絶叫も、やがて爆笑の渦に飲まれていき…。
そして。
「…?」
いつの間に眠ってしまったのだろうか。ケヴィンはそっと目を開いた。腕にかかる重さで、独りではないことが分かる。相手を起こさないように首を巡らせ、ほっと息をついた。
見れば二人どころか三人、仲良く一枚の毛布をかけて、ぴったりと身を寄せ合うようにして眠っている。
昨夜は三人とも寝不足だったから、思わぬところでお昼寝タイムとなってしまったようだ。広場で行われるパーティは夜からなので、それまでのんびりするのもいいかもしれない。
(お昼まで寝てようかな…)
そんなことを考えながら、ケヴィンは二人の寝顔を眺めた。
獣の仔のようにじゃれ合って、ふざけ合って。はしゃぎ疲れて仲良く眠る、そんな日々。
(もう、こんな日は来ないと思ってた)
自分に心を許してくれる人など、どこにもいないと思っていた。
(だけど、今は二人もいる。優しくて、あったかい人たちが、おいらの傍にいてくれてる…)
窓をかたかたと鳴らす風の音。きっと外は、昨日よりも寒い。
それでも、風に乗って音楽や笑い声が聞こえてくる。寒さを吹き飛ばすような、明るい声だった。
(…あったかいや…)
そっと隣に眠る少女に身をすり寄せ、ケヴィンはにっこりと微笑んだ。
あふ、と欠伸を洩らして、再び目を閉じる。
世界で一番幸せな場所。それがどこにあるのかは分からないけれど。
(ここが、おいらの、イチバン幸せな場所)
ゆっくりと再び眠りに落ちていく彼の耳に、誰かがそっと囁いた。
トビラが、開いたね。
その声が誰のものか分からぬまま、ケヴィンは夢の腕に包み込まれていった。
世界に女神が舞い降りる日。
子供たちは、寄り添い眠る
世界で一番、幸せな場所で────。
|