あとがき―砂上にて―
あとがきです。こんな所まで読んで下さっている貴方に大感謝です。
今回はもう、何て言うか不甲斐無いというか。
構想三ヶ月、作成一ヶ月半といったところ。
それでアレかい、ってな感じなんですが。
まずホーク未遂。あ残念。(いきなりそれかい!)
ホークリファンの方石投げないで下さい。
あ、でもケヴィンに投げるくらいなら私が代わりに。(帰れ)
何故ああいう事になったのかというと、……ま、雰囲気だけでキスして欲しくなかったのです。
ホークともあろう者がそんなことではいけませんて(笑)。
リースに求めるのは、安らぎだけなの?
そう問いかけて。あそこでキスしたら何か狡いなあって思ったんですよ。
女の私としては。
今回はホーク主人公という事で、「友情に厚い」という彼の原点に
立ち返ってみようと思ったのですが、
何時の間にか……何ですか、これは。「ホーク×リース完結編」じゃないですか。
(又は「ケヴィン、キューピッドをやるの巻」でも可。)
何でお約束のようにリースが絡むかなあ、なんて考える私は相当捻くれているようです。
平たく言えば、リースの事だけで悩んで欲しくなかったんですよね。
リースの事も勿論そうですけど、美獣の事とか、イーグルの事とか、
仲間と離れてこれからの不安とか、色々心の整理をつけて欲しかった訳で。
結果、色々盛り込みすぎて何から何まで微妙なホークが出来上がりました(笑)。
本当に難しかったです。彼を主人公に据えるのは。
私の中ではやはり「脇に回してこそ光る男」です。御免なホーク。
何で主人公にするのが難しかったかというと、
主人公ってやっぱ色々悩むじゃないですか。でもって仲間達に相談したりするじゃないですか。
ホークにはそういう図が思い浮かばなかったんですよね……。
自分で書いてて思いましたよ。
「Persona」であれだけ偉そうにリースに説教しておいてお前は何だよ、って。
つまり彼の場合、心の底に一線を引いていて、
其処からは仲間達にもけして踏み込ませないんじゃないかなと。
(↑この辺から既にドリームですか。)
そうして一人で考えて、ああそうだなとかいやそうじゃないなとか、
勝手に結論出しちゃう感じがしたのです。
(今回何時もに増して心情描写が多いのはその所為だと。)
その点イーグルはやはり彼にとって特別だったのではないかと。
で、そんな彼にお節介をするとすれば、やはりリースの事しか無いような気が。
放っておいたら本当に微妙な関係を続けそうな気がするので、我が家のホークは。
今回で……少しは吹っ切れたか……な?
そしてホークに関して今回拘ってみた事。
(本当は説明しなくちゃ分かんない拘りなんてダメだとは思うのですがね)
それは「泣き」の描写です。
お気付きの方おられると思いますが、私の小説は大抵誰かが泣いてます。(ホントに何故だ…)
今回はホークが泣くのかという訳ですが、実はその辺微妙にしたつもりです。
つまり明確に「泣いた」「涙を流した」と分かる描写をしていないのです。
「泣かせてくれてもいいだろう?」というホークの台詞はあります。
でも涙を流すという描写はしてません。
「ホーク、泣いてた。」というケヴィンの台詞はあります。
でもそれはケヴィンが本当にホークの涙を直接見たという訳ではありません。
本当に見たのかもしれないし、或いは
彼の「心の涙」をその繊細な心で感じ取ったのかもしれません。
ホークが本当に泣いていたのかどうか。
それはお読みになる方それぞれで違うと思います。
因みに私の中では、直接は泣いてないですね、やっぱ(笑)。
作者にすら泣き顔は見せてくれませんね、彼は。
泣くとすれば誰もいないとこでひっそり、でしょうか。
さて今回一部ショッキングな(そうでもないか?)場面がありました。
リースファンの方刺さないで下さいね………(汗)。
私の中ではああいう感じなんですよ、彼女。潔癖で融通が利かなくて生真面目で。
そうでなくても、ああいう場合、皆さんは美獣に対して
「可哀想に。このひとも辛かったのね」なんて許す事が出来ますか。
自分の大切なモノを全て奪った相手を。
でも「大切なひとを守りたかった」という気持ちは分かる。それだけに辛い。
せめて彼女が芯から悪党であったなら。骨の髄まで憎ませてくれたなら。……その方が楽なのに。
だから、尚更貴女は残酷。
その辺りのリアルな心情を追究した結果ですが如何でしたか。
かなり揺れてます。ホークとリース。我ながらやらしいと思います。
何だか読み返してみてもエラく半端なので、
いっそのことホークが眼を覚ます所でバッサリ切ろうかとも思ったのですが、
それだとリースに対するフォローが無いのと、
ケヴィンの影が余りに薄いという事で(いや別に贔屓では)
敢えて続けてみました。
自分ではホーク×リース小説のつもりはないので、
ケヴィンに対してもリースと同等の比重をかける為に四苦八苦しました。
それにしても無駄にケヴィンに対する叙述が多いような気がしますが、
まあそれは何時もの事だという事で。(………)
あ、それからもう一つ。
実は私はこの「ケヴィン、ホーク、リース」パーティーを書く時、
何時も「ゲーム上の主人公はケヴィン」という気持ちで書いてます。(愛だ!)
しかし今回、途中で気付きました。
そう。美獣と対峙するという事は、ケヴィン主人公は有り得ないのです!!(気付くの遅いよ)
という訳で今回に限り涙を呑んで(何でや)ホークを主人公にしました。とほほ。
最後に国語の問題です。
最後の「愛しき『友』」とは誰を指すのでしょうか?
……正解者様には別に何も出ませんがね(笑)。
「STAYIN' ALIVE」冒頭の「あなた」が誰を指すのか、というのと
考え方は同じなんですが。
あ、それよりも簡単だ。多分。
……まあ人それぞれですよね。一寸言ってみたかったのです。失敬。
という訳で今回やたら長々と言い訳しましたが、この辺で終わります。
掲載して下さったラビさん及び読んで下さった皆様、どうも有り難うございました。
……願わくば次は優しい話を書きたいなあ……後思いっきりバカな話とか……。
(だから己の文体をわきまえろって……。)
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